第71回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2019年1月25日(金)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 濱西 伸治(仙台高等専門学校・機械システム工学科・准教授)
司会: 小池 卓二 教授
題目: ゆりかごからグランド・ジェネレーションまで -聴覚のメカニクスを医療・福祉・スポーツへ-
概要: この世に生を受けた私たちは,誰もが健康に育ち,若々しく年を重ね,そして豊かな知識と経験を持ちながら人生を楽しみたいと願っています.そのような人生を過ごすために,私たちの体は,実に様々な高度な機能を協調させながらサポートしてくれています.本セミナーではその中でも“聴覚”に着目します.自身で聴こえを意思表示することができない赤ちゃんに対し,聴こえをどのように診断するか?子供から年配まで様々な世代で愛好者が多い剣道が聴覚に及ぼす意外な影響とは?そして良好なコミュニケーションを提供してくれる新しい補聴器とは?これまでの自身の研究成果をご紹介しながら,ゆりかごからグランド・ジェネレーションまで人生を充実したものにするための“聴覚”の可能性を一緒に考えていきたいと思います.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第70回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年12月20日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 星野 太佑(電気通信大学 基盤理工学専攻 共通教育 健康・スポーツ科学部会・准教授)
司会: 狩野 豊 教授
題目: 運動に対する骨格筋の代謝応答とその適応
概要: 定期的な運動は,骨格筋の糖・脂質代謝能力の向上や筋量の増加などの適応を引き起こします.骨格筋の適応は,一過性運動後の遺伝子発現の変化(転写制御)やタンパク質合成の活性化(翻訳制御)が繰り返されることによって引き起こされると考えられています.本講演では,運動による骨格筋の適応をミトコンドリアの変化に着目して報告します.さらに,一過性の筋収縮後の代謝変化をメタボローム,トランスクリプトーム解析により明らかにした研究を報告します.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第69回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年11月1日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 池田和隆(公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野・分野長 依存性薬物プロジェクト・プロジェクトリーダー(参事研究員))
司会: 牧 昌次郎 准教授
題目: 依存性薬物の作用機序解明による脳機能の理解と医療応用
概要: 依存性薬物は、依存症の原因となるとともに、鎮痛薬や睡眠薬、発達障害治療薬などとして医療に役立っています。依存性薬物の脳への作用機序を明らかにすることで、脳内報酬系、鎮痛経路、覚醒・睡眠機構、行動制御などの脳機能の理解が分子レベルで進むとともに、医療の向上に繋がると期待されます。講演では特に、中枢薬開発における60年ぶりの大発見と言われているケタミンによる難治性うつ病の治療効果や、鎮痛薬作用個人差の遺伝的メカニズム、カリウムチャネル阻害による依存症治療の可能性などについて最新の研究成果を紹介します。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第68回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年10月19日(金)14:40 – 16:10
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 直井 望(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科 心理学・言語学デパートメント・准教授)
司会: 山田 幸生 特任教授
題目: functional Near-Infrared Spectroscopyを用いた周産期の脳機能発達についての検討
概要: functional Near-Infrared Spectroscopy(fNIRS)は,近赤外分光法を用いて脳血流中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの相対的な変化を計測することができる方法である。fNIRSは非侵襲的であり,拘束性が低く,計測中の騒音もないことから,乳幼児の脳活動の計測に適していると考えられ,近年研究の知見が蓄積されつつある。本講演では,fNIRSを用いて新生児の視覚,聴覚,触覚刺激の感覚処理に関連する脳機能発達を評価した研究,満期産で出生した新生児と早期産児の音声刺激処理に関連する脳活動と脳部位間の機能的結合(functional connectivity)を比較した研究を紹介し,周産期の脳機能発達について議論していきたい。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第67回

日時: 2018年8月23日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館301会議室
講師: 硯川 潤(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部・福祉機器開発室長)
司会: 東郷 俊太 助教
題目: ユーザ参加型ワークショップから学ぶ福祉機器開発虎の巻
概要: 福祉機器の開発は難しいとよく言われます.私自身,福祉機器開発に関わる研究者として,また,ユーザ当事者として,日々身に染みて実感しています.一方,現場の声をよく聞こう,といった攻略法も,漠然としていて実践が難しい・・・.そんな問題意識から,福祉機器開発の何がどう難しいのか?現場の声ってそもそも何?ということを,デザインワークショップの実践と分析を通して考察してきました.本セミナーでは,設計工学やデザイン理論における知見の助けを借りながら,これまでの取り組みを,定量的な視点を交えつつご紹介します.こうすれば成功する,というよりは,失敗しないためにはこうしてみては,というポイントをお伝えできればと思います.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第66回

日時: 2018年7月12日(木)14:40 – 16:10
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 金 尚宏(東京大学大学院・理学系研究科生物科学専攻・特任助教)
司会: 仲村 厚志 助教
題目: 生物時計のサイエンス:時計遺伝子の働きから睡眠障害の理解まで
概要: 私達の睡眠・覚醒リズムは約一日の生物時計 (概日時計) によって生み出されており、その基本的なメカニズムを担う時計遺伝子の発見は、2017年のノーベル医学生理学賞の対象となりました。本分野は遺伝子と行動の因果関係が明瞭な神経科学領域であり、現状は社会応用への期待が高まっている研究フェーズです。私達はこれまで、概日時計の周期や振幅、時刻を制御する種々の化合物を見出し、時計の分子メカニズムを解明してきました。加えて本セミナーでは、非24時間睡眠覚醒症候群を紹介します。本患者は、日毎に約一時間づつ睡眠覚醒サイクルが遅れていきますが、この病態に酷似した表現型を示す動物がヒト以外に一種のみ知られています。私達は、カリフォルニアマウス (Peromyscus californicus, 一夫一妻性げっ歯類) の日本初のクローズドコロニーを樹立し、睡眠障害変異体Free runnerの解析を進めているところです。

参考文献:(1) de Groot & Rusak. Neurosci Lett. 327, 203-7 (2002). (2) Kon et al. Nat Cell Biol. 10, 1463-9 (2008). (3) Kon et al. Genes Dev. 28, 1101-10 (2014).

参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第65回

日時: 2018年6月22日(金) 13:00-14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 佐藤俊治(電気通信大学・大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻・准教授)
司会: 横井浩史 教授
題目: 中低次の視覚計算論と錯視
概要: 私は大学4年生時(23年前)には視覚や脳には興味がなく,コンピュータビジョン,特に文字認識装置に興味がありました.実際,文字認識の研究を始めたのですが当時はそして現在も認識率は100%に到達していません.そもそも100%とは何か?一つは「ヒトの視覚系による情報処理結果と整合するか否か」が基準になるでしょう.したがって,「ヒトの視覚情報処理の性質や仕組みが分かれば目的が達成されるだろう.」との思いから,視覚研究を始めました.しかしながら,視覚情報処理は非常に複雑であるため,文字認識に代表される高次視覚情報処理の記述や理解は進んでいません.本発表では私と指導学生が取り組んできた,中低次の視覚計算理論や数理モデルについて紹介します.また,ヒト視覚系とコンピュータビジョンの差である錯視やその数理モデルについても紹介します.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第64回

日時: 2018年5月18日(金) 13:00-14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 平野 誉(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 基盤理工学専攻・教授)
司会: 丹羽治樹 特任教授
題目: ホタルの光の化学:基礎と応用の最前線
概要: 機能性物質の創製や新学問領域の開拓では、生物に学ぶ方法論は1つの重要なアプローチで、光を生みだす生物発光も科学の発展に大きく貢献してきました。多くの発光生物の光る機能は、ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応と呼ばれる化学反応によって発揮されます。この化学反応は、反応に使われるルシフェリン分子数当りの光子の生成数(量子収率)が高く、様々な色の光を生みだし、点滅のような巧みな反応制御もなされる高機能な反応であり、基礎化学の視点でも魅力的な研究対象です。電通大は生物発光の基礎化学と応用で世界をリードしています。本講演ではホタルの発光を例に、化学研究の歴史から最近の基礎と応用の研究の発展状況を解説し、科学の常識であるホタルの発光の仕組みと利用するための基礎の理解を助けたいと考えています。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第63回

日時: 2018年4月27日(金) 13:00-14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 橋本賢一(防衛医科大学校 集中治療部・講師)
司会: 孫 光鎬 助教
題目: 心臓突然死に関する低侵襲的な診断・予防について
概要: ガイドラインでは、侵襲的な電気生理学的検査(EPS)が心疾患における致死性不整脈による突然死リスク評価のゴールドスタンダードです。EPSでの心室細動、心室頻拍などの致死性不整脈の誘発が植込み型除細動器(ICD)の手術適応根拠となります。一方、非侵襲的心臓突然死リスク検査項目として心室遅延電位(SAECG)、マイクロボルトT波オルタナンス(TWA)、心拍変動解析(HRV)及び心拍タービュランス(HRT)の有用性が報告されているもののEPSの代用には至っていないのが現状です。近年Holter心電図でも24時間のLP, TWAの評価が可能となり検査精度が高まりつつあります。本講演においては、Holter心電図で計測可能なこれらのSAECG, TWA, HRV及びHRTについてのレビューを行い、より低侵襲な心臓突然死リスク評価の可能性を探ります。一方、従来のICDより低侵襲で合併症を低減することが期待されている完全皮下植込み型除細動器(S-ICD)・着用型自動除細動器は実臨床での使用が広まっています。これらの新しいデバイスの適応及びup dateな話題について触れます。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第62回

日時: 2018年3月26日(月) 13:00-14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 北田 亮 (南洋理工大学シンガポール 社会科学部 准教授)
司会: 宮脇陽一 教授
題目: 触覚によるテクスチャに関わる脳内ネットワーク
概要: 私たちは触覚によって素材の特徴を抽出することができます.触覚に関する工学的研究が注目される一方で,触覚による物体知覚に関わるメカニズムについては不明な点が多くあります.私はこれまでに触覚による物体知覚に関わる脳内ネットワークについて,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて調べてきました.本講演では素材知覚に着目し,(1)物体の粗さ知覚や剛性の知覚には島部や二次体性感覚野が関与すること,(2) それに対し素材の意識的な知覚には一次体性感覚野が関与すること,(3)近年触覚への関与が示唆されている視覚野は意識的な素材の知覚には限定的な役割を果たすこと,について紹介し,現在の枠組みの問題点について説明します.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp