第75回セミナー

日時: 2019年4月22日(月)13:30 – 15:00
場所: 電気通信大学 東3号館 306会議室
講師: 小野 誠司(筑波大学体育系・准教授)
司会: 岡田 英孝 教授
題目: 眼球運動から読むアスリートの脳機能
概要: 様々なスポーツ場面では、ボールや相手の動きなど視覚対象に応じて適切な運動を実行する必要性があり、視覚を通して得られる感覚情報は運動の発現と調節に重要な役割を果たしています。特に、熟練した球技選手は眼や頭部の動きによる効果的な視覚探索方略を用いて適切な視覚情報を獲得していると考えられています。このような視覚に基づくアスリートの卓越した情報処理能力は如何にして実現されているのでしょうか。これまでの研究において、眼球運動は視覚情報の影響を強く受けること、またその動的特性と脳機能との関連性が明らかにされていることから、上位中枢による視覚情報処理の特徴を調べるうえで有効な指標とされています。本講演では、アスリートの持つ眼球と頭部の動きを制御する脳機能の特徴についての研究を紹介します。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp

 

第74回セミナー

日時: 2019年3月8日(金)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東4号館802会議室
講師: Zoltan Ungvari (Professor, Reynolds Oklahoma Center on Aging, Dept. of Geriatric Medicine, University of Oklahoma Health Sciences Center, Oklahoma City, USA)
司会: 正本和人教授
題目: Aging-induced neurovascular dysfunction: novel mechanisms(加齢による脳神経血管の機能障害:新しいメカニズム)
概要: 加齢による脳機能の低下が、脳血管の障害や脳血流の低下に関係して生じていることが明らかになってきました。このような脳機能の低下を抑制し、高齢になっても正常な脳の機能を維持するために、運動や食事による間接的な、あるいは脳を直接活性させることで脳の血流を直接的に高める方法が有効とされています。本セミナーでは、脳の血流を調節する働きのなかでも、特に血管の形状や毛細血管の血流を維持する内皮細胞の働きに注目した神経血管変性の新しいメカニズムについて、血行力学的な側面を含めて講演します。(Ungvari先生は、現在オクラホマ大学の老化研究の教授であり、Journal of Gerontology: Biological Sciences, the American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology, GeroScience: the official journal of the American Aging AssociationのEditorを務めています。195本以上のoriginal paperをpublishしており、Nature Reviewに掲載された最新の総説論文(Ungvari Z, et al., Endothelial dysfunction and angiogenesis impairment in the ageing vasculature. Nat. Rev. Cardiol. 2018 Sep;15(9):555-565.)を中心にご講演を頂きます。)
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第73回セミナー

日時: 2019年2月22日(金)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 管 小荣 (GUAN Xiaorong)(南京理工大学機械工学科・准教授)
司会: 姜 銀来 准教授
題目: ウェアラブル四肢外骨格ロボットの考察と重要技術に関する研究
概要: 近年,ウェアラブル四肢外骨格ロボット(Wearable Human Extremity Exoskeleton: WHEE)の研究開発は注目を集め、多くの研究者が取り組んでいます。しかし、製品化されたものは殆どなく、WHEEの普及を妨げる課題を整理する必要があります。本セミナーの前半では、これまでのWHEEの研究開発を、健常者の機能拡大と障害者の補助・回復との二つの観点から考察します。さらに、WHEEのキーテクノロジーである生体模倣機構の設計、動作意図の予測,制御戦略などを概観します。後半では、南京理工大学で行ってきたWHEEの研究開発を紹介します。私たちはWHEEの動きやすさと安全性および軽量化を考慮した生体模倣機構の設計方法を確立しました。また、動作の柔軟性と補助効率を考慮した制御戦略を構築しました。これらの方法の有効性を示すために、WHEEの試作機を用いた実験結果を紹介します。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第72回セミナー

日時: 2019年1月25日(金)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 濱西 伸治(仙台高等専門学校・機械システム工学科・准教授)
司会: 小池 卓二 教授
題目: ゆりかごからグランド・ジェネレーションまで -聴覚のメカニクスを医療・福祉・スポーツへ-
概要: この世に生を受けた私たちは,誰もが健康に育ち,若々しく年を重ね,そして豊かな知識と経験を持ちながら人生を楽しみたいと願っています.そのような人生を過ごすために,私たちの体は,実に様々な高度な機能を協調させながらサポートしてくれています.本セミナーではその中でも“聴覚”に着目します.自身で聴こえを意思表示することができない赤ちゃんに対し,聴こえをどのように診断するか?子供から年配まで様々な世代で愛好者が多い剣道が聴覚に及ぼす意外な影響とは?そして良好なコミュニケーションを提供してくれる新しい補聴器とは?これまでの自身の研究成果をご紹介しながら,ゆりかごからグランド・ジェネレーションまで人生を充実したものにするための“聴覚”の可能性を一緒に考えていきたいと思います.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第71回セミナー

日時: 2019年1月23日(水)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 渡邉 大(京都大学 大学院医学研究科 生体情報科学講座・教授)
司会: 田中 繁 教授
題目: 意思決定・意思伝達の神経回路基盤解明への生物学的アプローチ
概要: 大脳皮質-基底核神経回路は様々な高次脳機能発現に中心的な役割を果たしていると考えられていますが、詳細なメカニズムについて不明な点が多い。その一因として、大脳皮質および基底核が極めて多様な神経細胞サブタイプから構成されており、さらに各神経細胞の興奮性や回路連絡は一定ではなく可塑的に変化することが挙げられます。したがって、その回路機構を理解するためには、単一細胞の精度で神経活動を計測し、さらに可塑性関連細胞内シグナルの動態やそれに伴う神経情報の推移を捉えることが重要です。本セミナーでは、大脳皮質-基底核神経回路の機能解析を目的として開発したイメージング技術とともに、私達がこれまでに進めてきた意思決定・意思伝達に関する知見について紹介します。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第70回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年12月20日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 星野 太佑(電気通信大学 基盤理工学専攻 共通教育 健康・スポーツ科学部会・准教授)
司会: 狩野 豊 教授
題目: 運動に対する骨格筋の代謝応答とその適応
概要: 定期的な運動は,骨格筋の糖・脂質代謝能力の向上や筋量の増加などの適応を引き起こします.骨格筋の適応は,一過性運動後の遺伝子発現の変化(転写制御)やタンパク質合成の活性化(翻訳制御)が繰り返されることによって引き起こされると考えられています.本講演では,運動による骨格筋の適応をミトコンドリアの変化に着目して報告します.さらに,一過性の筋収縮後の代謝変化をメタボローム,トランスクリプトーム解析により明らかにした研究を報告します.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第69回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年11月1日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 池田和隆(公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野・分野長 依存性薬物プロジェクト・プロジェクトリーダー(参事研究員))
司会: 牧 昌次郎 准教授
題目: 依存性薬物の作用機序解明による脳機能の理解と医療応用
概要: 依存性薬物は、依存症の原因となるとともに、鎮痛薬や睡眠薬、発達障害治療薬などとして医療に役立っています。依存性薬物の脳への作用機序を明らかにすることで、脳内報酬系、鎮痛経路、覚醒・睡眠機構、行動制御などの脳機能の理解が分子レベルで進むとともに、医療の向上に繋がると期待されます。講演では特に、中枢薬開発における60年ぶりの大発見と言われているケタミンによる難治性うつ病の治療効果や、鎮痛薬作用個人差の遺伝的メカニズム、カリウムチャネル阻害による依存症治療の可能性などについて最新の研究成果を紹介します。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第68回セミナー

創立百周年記念事業
日時: 2018年10月19日(金)14:40 – 16:10
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 直井 望(国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科 心理学・言語学デパートメント・准教授)
司会: 山田 幸生 特任教授
題目: functional Near-Infrared Spectroscopyを用いた周産期の脳機能発達についての検討
概要: functional Near-Infrared Spectroscopy(fNIRS)は,近赤外分光法を用いて脳血流中の酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの相対的な変化を計測することができる方法である。fNIRSは非侵襲的であり,拘束性が低く,計測中の騒音もないことから,乳幼児の脳活動の計測に適していると考えられ,近年研究の知見が蓄積されつつある。本講演では,fNIRSを用いて新生児の視覚,聴覚,触覚刺激の感覚処理に関連する脳機能発達を評価した研究,満期産で出生した新生児と早期産児の音声刺激処理に関連する脳活動と脳部位間の機能的結合(functional connectivity)を比較した研究を紹介し,周産期の脳機能発達について議論していきたい。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第67回

日時: 2018年8月23日(木)13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館301会議室
講師: 硯川 潤(国立障害者リハビリテーションセンター研究所 福祉機器開発部・福祉機器開発室長)
司会: 東郷 俊太 助教
題目: ユーザ参加型ワークショップから学ぶ福祉機器開発虎の巻
概要: 福祉機器の開発は難しいとよく言われます.私自身,福祉機器開発に関わる研究者として,また,ユーザ当事者として,日々身に染みて実感しています.一方,現場の声をよく聞こう,といった攻略法も,漠然としていて実践が難しい・・・.そんな問題意識から,福祉機器開発の何がどう難しいのか?現場の声ってそもそも何?ということを,デザインワークショップの実践と分析を通して考察してきました.本セミナーでは,設計工学やデザイン理論における知見の助けを借りながら,これまでの取り組みを,定量的な視点を交えつつご紹介します.こうすれば成功する,というよりは,失敗しないためにはこうしてみては,というポイントをお伝えできればと思います.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp

第66回

日時: 2018年7月12日(木)14:40 – 16:10
場所: 電気通信大学 東3号館306会議室
講師: 金 尚宏(東京大学大学院・理学系研究科生物科学専攻・特任助教)
司会: 仲村 厚志 助教
題目: 生物時計のサイエンス:時計遺伝子の働きから睡眠障害の理解まで
概要: 私達の睡眠・覚醒リズムは約一日の生物時計 (概日時計) によって生み出されており、その基本的なメカニズムを担う時計遺伝子の発見は、2017年のノーベル医学生理学賞の対象となりました。本分野は遺伝子と行動の因果関係が明瞭な神経科学領域であり、現状は社会応用への期待が高まっている研究フェーズです。私達はこれまで、概日時計の周期や振幅、時刻を制御する種々の化合物を見出し、時計の分子メカニズムを解明してきました。加えて本セミナーでは、非24時間睡眠覚醒症候群を紹介します。本患者は、日毎に約一時間づつ睡眠覚醒サイクルが遅れていきますが、この病態に酷似した表現型を示す動物がヒト以外に一種のみ知られています。私達は、カリフォルニアマウス (Peromyscus californicus, 一夫一妻性げっ歯類) の日本初のクローズドコロニーを樹立し、睡眠障害変異体Free runnerの解析を進めているところです。

参考文献:(1) de Groot & Rusak. Neurosci Lett. 327, 203-7 (2002). (2) Kon et al. Nat Cell Biol. 10, 1463-9 (2008). (3) Kon et al. Genes Dev. 28, 1101-10 (2014).

参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山田幸生,Tel: 042-443-5220,  e-mail: yukioyamada@uec.ac.jp