第90回セミナー

日時: 2021年3月8日 (月) 13:00 – 14:30
場所: Zoomによるオンライン開催
講師: 小河 繁彦 氏 (東洋大学 理工学部 教授・南ウエールズ大学 客員教授)
司会: 安藤 創一 准教授 (情報理工学研究科 共通教育部)
題目: 運動中の脳血流との調節機能
概要: 運動に対する脳血管反応は、脳の自己調節機能と動脈血の二酸化炭素分圧によって強く調節される。脳の血管応答は、他の末梢血管系とは異なり、血管床は小さく血圧調節機能としての役割を持たない。また他の臓器とは対照的に、方法論的な問題から、脳血流量(CBF)は比較的一定のままであり、運動など様々な生理条件においてほとんど影響を受けないと考えられてきた。しかし、最近の研究では、脳の神経活動やその代謝が運動中のCBFを変化させることを報告している。例えば、漸増負荷運動中のCBFは、最大酸素摂取量の約60%の運動強度までCBFは上昇させることが明らかとなっている。一方、運動強度がさらに高まるとCBFは低下し、激しい運動では脳の代謝の増加にもかかわらず、CBFが逆の反応を示す。つまり、運動中必ずしも脳の代謝が脳血流を決定する主要因になってないことが推察され、運動におけるCBF応答のメカ二ズムはいまだ議論の余地がある。本セミナーでは、CBFの評価に関連する方法論や運動中のCBFの調節のメカニズムに関する知見を紹介し、CBFの調節機能に関する疑問点を提示する。
参加: 参加費無料,下記のGoogle Formから申込みをお願い致します。
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問合せ 田中 嘉法
Tel: 042-443-5586
E-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp

第89回セミナー

日時: 2021年2月24日 (水) 14:40 – 16:10
場所: Zoomによるオンライン開催
講師: 原田 竜彦 氏 (国際医療福祉大学熱海病院耳鼻咽喉科 教授)
司会: 小池 卓二 教授 (機械知能システム学専攻)
題目: 生物進化から見た聴覚のメカニズム
概要: 聴覚についてはじめて学ぶとき、音の情報を神経に伝えるだけのしくみがどうしてこれほど複雑な構造となっているのだろうとだれもが感じると思います。すべての生物はひとつの細胞から進化を経た結果現在に至っており、その過程は今も母体の中で出生するまでに繰り返されています。したがって聴覚の仕組みをよく理解するには、聴覚器がどのように進化して今に至っているのかを知ることは不可欠であり、同時に進化という名のイノベーションがいかにして生じてきたのかを知ることは、工学を学び研究されている人たちにとってヒントになることが少なからずあると思います。
今回の講義では、脊椎動物における聴覚系の進化を主に扱います。はじめての脊椎動物となった魚類において平衡覚をつかさどる前庭器を用いて水中音響の聴取が可能になったこと、生物の陸上化に伴い出現した両生・爬虫類において中耳構造が出現したこと、鳥類においてこれがさらに発展しより高度な機能を持つようになったこと、他方で哺乳類において顎構造の変化から異なる中耳構造と特有の聴覚器官である蝸牛を持つに至ったことなどを中心とした進化の過程を解説して参ります。それらの途中でなにが得られ、何が失われたのか、何に促されて進化は起きたのか、そしてそれぞれの生物はどのような方略をとった結果進化につながっていったのか、これらについても一緒に考えてゆきたいと思います。
参加: 参加費無料,下記のGoogle Formから申込みをお願い致します。
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問合せ 田中 嘉法
Tel: 042-443-5586
E-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp

第88回セミナー

日時: 2021年1月19日 (火) 13:00 – 14:30
場所: Zoomによるオンライン開催
講師: 新井 健生氏 (電気通信大学 グローバルアライアンスラボ推進室 客員教授・北京理工大学 教授)
司会: 姜 銀来 准教授 (脳・医工学研究センター)
題目: マイクロロボティクスのバイオ応用
概要: マイクロロボティクスはマイクロスケールの微小物体を対象に,微小環境における操作と計測,自動化に関わる工学である.講演者は30年前に2本指で器用に操作を行うマイクロハンドの開発を開始し,画像処理技術や微小力計測センサを統合し,自動高速ハンドリング,細胞剛性計測などを行った.また,微小流路中で細胞を搬送し培養するマイクロフルイデクスなども併用し,オンチップ自動クローニングシステムの開発や,人工3次元細胞組織のアセンブリなどを,バイオや医学分野の研究者と連携して実施している.本講演ではこれら一連の研究開発成果を紹介するとともに,今後の研究課題についても紹介する.
参加: 参加費無料,下記のGoogle Formから申込みをお願い致します。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdb_sro7nQ_k22ioZuJDiQ7F17Q1WLfg64PEr4El83MUuhuFg/viewform
問合せ 田中 嘉法
Tel: 042-443-5586
E-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp

第87回セミナー

日時: 2020年12月18日 (金) 13:00 – 14:30
場所: Zoomによるオンライン開催
講師: 沼野 利佳 准教授 (豊橋技術科学大学 応用科学・生命工学系 エレクトロニクス先端融合研究所)
司会: 仲村 厚志 助教 (基盤理工学専攻)
題目: Light-Gated Glutamate Receptor実験系を用いた概日リズムインプット経路の光刺激
概要: 我々は、これまで、照射する光の波長により化合物の骨格構造が変化する光反応性人工化合物Maleimide Azobenzene Glutamic acid (MAG)を合成し、これを用いて、神経活動を制御する実験系を確立している。MAGという化合物は,、①グルタミン酸受容体のリガンド結合部位の付近に結合し、②UV領域の光でシス体となり、可視領域の光でトランス体となるアゾベンゼン構造を骨格に有し、③グルタミン酸受容体のリガンドであるグルタミン酸を持ち、UV&可視領域の光を交互に照射することでグルタミン酸作動性神経活動を興奮させることができる。
一方、地球上の生物は、約24時間周期の概日リズムを持ち、これを用いて自らの生理機能や行動を約24時間周期で自律的に駆動し、明暗条件などの外界環境によりその位相をリセットする。哺乳類の概日時計の中枢は、脳内の視床下部に存在する視交叉上核(SCN)であり、そこでPeriod1(Per1)遺伝子をはじめとする時計遺伝子の約24時間周期の発現リズムによって、概日リズムが規定される。グルタミン酸受容体がSCN神経細胞のポストシナプス部位に発現し, 目から入ったインプットである光刺激がSCNのグルタミン酸受容体への刺激となり, Per1遺伝子が発現誘導されることが知られている。今回, MAGの改良型化合物を用いて、SCNの神経細胞を時空間特的に光刺激し、その後におこる概日リズムの変化を観察した。具体的には、Per1遺伝子の発現のタイミングをGFP(緑色蛍光タンパク質)レポーターやluciferase (ホタル蛍化学発光タンパク質) レポーターで観察できる組換えマウスの脳スライスを用いてタイムラプスにて観察した。その結果、SCNでは、概日リズムのインプット情報を様々に調整して、SCN全体として個々の細胞の時計機能がシンクロし、組織として強い自律的なペースメーカーの役割を担っていることが明らかになった。
参加: 参加費無料,下記のGoogle Formから申込みをお願い致します。
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問合せ 田中 嘉法,Tel: 042-443-5586,  e-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp

第86回 セミナー

日時: 2020年11月30日 (月) 13:00 – 14:30
場所: Zoomによるオンライン開催
講師: 石上 玄也 准教授 (慶應義塾大学 理工学部 機械工学科)
司会: 東郷 俊太 助教 (脳・医工学研究センター・機械知能システム学専攻)
題目: バリアを超える電動車いすを目指して- Cybathlonを通して学んだこと –
概要: Cybathlon(サイバスロン)とは,障がい者が先端技術に基づいた電動車いすや義手,義足などのアシスト機器を使って,日常生活に必要な動作やタスクをこなし,その達成度およびタイムを競う4年に1度の国際大会です.同大会はスイス連邦工科大学チューリッヒ校が主催しており,2016年の第1回大会では世界25カ国から66チームが参加し,さらに第2 回大会が2020年11月13日,14日にオンラインで各参加国を中継し,Global Editionとして開催されました.登壇者の所属組織である慶應義塾大学理工学部サイバスロンチームは,第2回大会の前哨戦として2019年5月に開催された電動車いす部門において,初参加ながら世界3位に入賞しました.
本講演では,サイバスロン電動車いす部門の概要と,慶大チームが開発した電動車いすを概説するとともに,第2回大会の結果を紹介します.また,サイバスロンという大会を通して学んだ「ものづくりにおける多様な価値観の重要性」について議論したいと思います.
参加: 参加費無料,メールにて申込をお願いします.
問合せ 田中 嘉法,Tel: 042-443-5586,  e-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp

 

第85回セミナー

日時: 2020年1月28日 (火) 13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館(学内マップ:27番) 最後のページ 306室
講師: 宮脇 陽一 (電気通信大学 情報理工学研究科 教授)
司会: 佐藤 俊治 准教授
題目: 超高磁場MRI信号の超高速計測 ― 海外研修・留学のススメ
概要: ヒト脳活動を高時空間分解能で計測し、解析する技術の開発は、ヒト脳における情報処理原理の理解において極めて重要です。ヒト脳活動を最も高精細に計測することができる方法としてfMRIが知られていますが、計測対象が血流であるため、高速な神経活動をとるうえで時間分解能が不足していると考えられています。こうしたこれまでの常識を打ち破るべく、私が現在挑戦している、超高磁場fMRI信号の超高速計測という新しい研究手法と最新の結果について紹介します。この研究を行うにあたって、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health)に1年余り留学する機会を得ました。この研究留学は、私の価値観を変革し、研究者としてのあり方を再考するうえで極めて大きな影響を与えるものでした。
本講演では、留学中に私が実施した実験結果の紹介とあわせて、あるいはそれよりも強調し、留学に至るまでの準備、現地での経験、今後の展開などをお話する予定です。きれいごとを抜きにした、ありのままの体験談としたい。海外での生活に少しでも興味のある教職員および学生はもちろん、興味が全く無い方にもぜひ来ていただき、私が思うところの「海外研修・留学のススメ」をお伝えできれば幸いです。
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井 佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp

 

第84回セミナー

日時: 2020年1月10日 (金) 13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館(学内マップ:27番) 最後のページ 306室
講師:  Vasileios Tserolas (電気通信大学 脳・医工学研究センター 研究員)
司会: 田中 繁 特任教授
題目: Spiking neural networks as a paradigm of artificial intelligence
概要: There is a long-lasting dream in creating artificial intelligence (AI). Today’s artificial intelligence is not yet there. The approach of today is to implement algorithms based on insights of human engineering. Hence, much effort is being invested into engineering new learning algorithms and information processing systems. The hope is that a right set of algorithms will be eventually created – making up a machine that will be able to learn on its own to the extent of becoming an AI. New general algorithms, once that could bring us closer to AI, do not seem to come out easily from such efforts. Some of the best general algorithms used today (e.g., deep learning) stem largely from 1980’s. The current AI technologies can do very well some things that require effort for a human (e.g., calculating prime numbers, searching databases) but have difficulties doing things that are for humans easy (e.g., perceiving, walking, navigating through space). So, what can we do? Is there any alternative or are we simply stuck with specialized AI?
For further developments of AI, we are in a need of using principles of biology to a higher degree than what we have been able to do so far. The new developments of AI must be based on a new theoretical approach on how biology and brain work resulting in a radically new view on what the nature of mental and cognitive operation is. Brains have evolved to control bodies in a very sophisticated way. Hence their abilities to quickly perceive the environment, rapidly detect statistical anomalies, control multiple degrees of freedom in real time, accumulate knowledge from many modalities, self-wire (learn) to optimize future behavior. When an animal navigates in the world, neurons can flexibly represent the position of the animal in a given environment, the composition of the environment, the head direction, the running speed, etc. These mental representations of the world are flexible and dynamic, determined and modulated by a range of environmental, behavioral, and neural parameters. In a similar way, to create biological-like AI it is necessary to mimic biology in respect to the levels of organization at which a biological agent adapts to its environment.
A good model problem for that is the control of an autonomous robot. Spiking neural networks (SNN) provide enormously rich expressing power but are not easy to control and very likely a pile of research will need to go into that field before first spiking chips will show amazing capabilities. Nevertheless, I believe that this is the right direction to go, in the long run.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井 佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp

第83回セミナー

日時: 2019年12月5日 (木) 13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館(学内マップ:27番) 最後のページ 306室
講師: Nguyen Vu Trung (The Vice Director, National Hospital for Tropical Diseases, Vietnam)
司会: 孫 光鎬 助教
題目: Biomedical Engineering in Vietnam: Application and Future Collaboration
概要: Biomedical engineers work at the intersection of engineering, the life sciences and healthcare. The BME take principles from applied science (including mechanical, electrical, chemical and computer engineering) and physical sciences (including physics, chemistry and mathematics) and apply them to biology and medicine. Although the human body is a more complex system than even the most sophisticated machine, many of the same concepts that go into building and programming a machine can be applied to biological structures and diagnostic and therapeutic tools. A biomedical engineer is someone who analyzes and designs solutions to problems in biology and medicine, with the goal of improving the quality and effectiveness of patient care.
There is an increasing demand for biomedical engineers, due largely because of the general shift towards the everyday use of machinery and technology in all aspects of life. Biological knowledge combined with engineering principles to address medical needs has greatly contributed to the development of both life-changing and life-saving concepts and products such as: artificial organs; pacemakers; artificial hips; surgical robots; advanced prosthetics; and kidney dialysis. Even, for some kinds of diseases like infectious diseases, there are still a lot of needs for the BME to apply the technology for diagnosis, care and treament for patients. Since infectious diseases progress fast and have some simptom changes over the time. In addition, the possibility of transmission make the close contack risky for medical staffs and others. The application of non-contact approches could be of trend for the future in medical settings and home care.
Further more, in many LMIC, the medical training programs still lack the subjects of BME, so that later on, in health care settings, even in the big or national hospitals, there are not many biomedical engineers to take care of the machines, equipments.
In the future, the collaboration between the medical staffs and the biomedical engineers is impactul association not only for training, research but also for health care practices in order to bring the advances in technology for patients and community.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井 佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp

第82回セミナー

日時: 2019年11月29日 (金) 13:00 – 14:30
場所: 電気通信大学 東3号館(学内マップ:27番) 最後のページ 306室
講師: 田中 尚樹 (東洋大学理工学部生体医工学科 教授)
司会: 樫森 与志喜 教授
題目: 因果性指標とその生体システムへの応用
概要: 因果関係の概念は科学的研究にとって重要な概念の一つです.因果関係は,通常,緻密な計画に基づいた実験によって明らかにされます.一方,計画的な実験が容易でない場合もあります.近年,計測データ(特に時系列データ)のみに基づいて因果関係を推定する研究が盛んに行われています.セミナーでは,代表的な因果性指標であるGranger因果性,Transfer entropy, Convergent cross mapping 等を概観し,これらをヒトおよびマウス大脳皮質のネットワーク解析や脳血液量・心拍数・血圧等の揺らぎ関係解析等に応用した例を紹介します.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井 佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp

第81回セミナー

日時: 2019年11月28日 (木) 13:30 – 15:00
場所: 電気通信大学 東3号館(学内マップ:27番) 最後のページ 306室
講師: Gerard Marriott (Professor, Department of Bioengineering, UC-Berkeley(University of California, Berkeley), USA)
司会: 牧 昌次郎 准教授
題目: Engineering new hydrogels for multiplexed detection of disease biomarkers and for passive release of medications
概要: I will present new findings from projects related to the engineering of hydrogels to detect disease biomarkers for at-home diagnostic devices, and for passive and long-term release of drugs to manage diseases of the eye. First, I introduce a novel bead-based immunocomplex entrapment assay (ICEA) and a related enzyme-linked ICEA (ELICEA) that allow for rapid and selective sequestration and entrapment of disease biomarkers with minimal needs for user-intervention and equipment. For example, in ICEA, target molecule-entrapment is achieved simply by injecting a bond-cleaving buffer, while in ELICEA, one also injects a chromogenic substrate. In both cases, sedimented beads generate brilliantly colored or fluorescent signals whose intensity correlates linearly with the amount of biomarker in the sample. In proof-of-practice studies, we used ICEA and ELICEA platforms to rapidly detect the kappa-light chain, a biomarker of the Bence-Jones disease, which we detected at a concentration that would correspond to an early stage of the disease. We also show the ICEA and ELICEA platforms can be used for multiplexed detection of biomarkers within individual beads. In the second part of my presentation, I will discuss a new type of hydrogel for long-term release of drugs to the eye, including glaucoma. In these studies, we use betadine, an FDA-approved medication to bring about specific chemical reactions in the eye that lead to the formation of drug-entrapped hydrogel from fluid precursors. Further optimization of the composition and structure of the hydrogel is used to delay the rate of drug release allowing passive and sustained release of the medication for up to 30 days. At the end of the therapy, the hydrogel is removed from the conjunctiva simply by bathing the eye in a dilute solution of cysteamine, which is also approved by the FDA to manage ocular conditions.
参加: 参加費無料,予約不要
問合せ 山野井 佑介,Tel: 042-443-5403,  e-mail: yamanoi@hi.mce.uec.ac.jp