日時: | 2021年4月26日 (月) 13:10 – 15:00 |
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場所: | Zoomによるオンライン開催 |
講師: | 横井 浩史 教授 (情報理工学研究科 機械知能システム学専攻) |
司会: | 横井 浩史 教授 (情報理工学研究科 機械知能システム学専攻) |
題目: | サイボーグ技術の開発―使いやすい運動機能再建のためのシステムをめざしてー |
概要: | ロボット工学の主要な応用分野の一つには,医療や介護,または,福祉といった生命と生活を支えるサービスの分野があり,安心と安全を提供する重要な社会貢献を担う.近年のロボット技術の発展によって,従来は静的・従属的・単機能の機械であった人工物が,動的・自律的・多機能なものに変わりつつあるため,考慮すべき範囲が拡大しつつある.特に人間の身体機能を代替する機械系の分野は,脳神経科学や医療福祉分野などとの境界領域に位置しつつある.この分野においてロボットは,人間に密着または装着して配置され,直感的にロボットを操作することが可能となり,さらにはロボットの故障なども痛みや疲労として感じられるような関係,すなわち,相互に作用し合う関係にある. 当研究グループでは,筋電義手を例として,学習機能を有するロボットシステムと人間の適応機能との関係に迫る研究を展開しており,本講演においてその概要について述べる.当研究室で開発した筋電義手は,利用者個々人の持つ複雑な筋電信号をコンピュータによる機械的学習計算によって習得し,個々人の前腕筋活動に直感的に符合する手指動作としてロボットを駆動する性能を有する.このシステムはサイボーグ研究などとも呼ばれ,2018年度初旬に学習機能を備えた筋電義手システムとして,厚生労働省の補装具完成用部品として登録され,現在では,乳幼児から小児でも利用できるような小型で軽量な筋電義手の開発に取り組みを進めている途上にある.また,義手は様々なタイプの切断や欠損または離断の状況に対応する必要があるために,工学系における機械や制御システムの開発のみならず,病院や医学部との協力関係の下で装着方法やセンサーの材料や形態の開発なども同時に行ってきており,それらの取り組みについても述べる. |
参加: | 参加費無料,下記のGoogle Formから申込みをお願い致します。 第91回CNBEセミナー申し込みフォーム |
問合せ | 田中 嘉法 Tel: 042-443-5586 E-mail: tanaka@ecc.pc.uec.ac.jp |