fMRIによる脳活動部位の同定(第13-14回)
実施場所:東3-618
レポーター:横井浩史
本日の講義は、宮脇先生と佐藤君(M2)に担当していただき、fMRIを用いた脳活動計測とその解析法について学びました。
宮脇先生ご自身の脳画像と脳モデルを用いて、構造や形を実感するところからスタートしました。
fMRIの計測原理は、以前に学んだNMRとよく似ており、原子スピンの電磁相互作用を用いて、計測対象の構成要素の含有量を推定する方法であること、および、電磁相互作用によって生じるラーモア歳差運動の緩和時間の違いを利用して、脳内の頭骨と白質と灰白質(大脳皮質)を区別する縦緩和(T1)と横緩和(T2)から脳の構造画像を計測すること、さらに、酸素化ヘモグロビンの含有量により緩和時間が変わる横緩和(T2*)を用いて脳内の細胞活動を推測し、結果として神経活動の分布画像を得ることについて学びました。
さらに、SPM( Statistical Parametric Mapping )を用いて、ヒトの顔に反応する脳部位の特定に挑みました。SPM解析に用いた脳のデータは、佐藤君がサンプル画像を見た時に計測したデータを用いました。サンプル画像は顔、顔を崩した画像、顔以外の物体画像、自然の風景画像、それぞれを崩した画像とし、これらを線形仮説を用いてブレンドして、顔画像だけを見た時などの脳活動を同定することに成功しました。
今回の講義内容は専門性が高く、数学的ツールも数多く出てきたために、論理の展開についていけない参加者もいたようですが、実験実習を体験したことで、脳活動計測が簡単な足し算引き算にまで落とし込まれていることは理解できたようです。