Date and Time: March 8 (Mon.), 2021, 13:00 – 14:30
Place: Online (Zoom)
Speaker: Shigehiko OGOH (Professor, Faculty of Science and Engineering, Toyo University. Visiting Professor, University of South Wales)
Chair: Assoc. Prof. Soichi ANDO
Title: Cerebral blood flow and its regulation during exercise
Abstract: 運動に対する脳血管反応は、脳の自己調節機能と動脈血の二酸化炭素分圧によって強く調節される。脳の血管応答は、他の末梢血管系とは異なり、血管床は小さく血圧調節機能としての役割を持たない。また他の臓器とは対照的に、方法論的な問題から、脳血流量(CBF)は比較的一定のままであり、運動など様々な生理条件においてほとんど影響を受けないと考えられてきた。しかし、最近の研究では、脳の神経活動やその代謝が運動中のCBFを変化させることを報告している。例えば、漸増負荷運動中のCBFは、最大酸素摂取量の約60%の運動強度までCBFは上昇させることが明らかとなっている。一方、運動強度がさらに高まるとCBFは低下し、激しい運動では脳の代謝の増加にもかかわらず、CBFが逆の反応を示す。つまり、運動中必ずしも脳の代謝が脳血流を決定する主要因になってないことが推察され、運動におけるCBF応答のメカ二ズムはいまだ議論の余地がある。本セミナーでは、CBFの評価に関連する方法論や運動中のCBFの調節のメカニズムに関する知見を紹介し、CBFの調節機能に関する疑問点を提示する。