聴性脳幹反応の計測(第10回)
歪成分耳音響放射の計測(第11回)
実施場所:東3号館701号室、東4号館129室
レポーター:横井浩史
以下に、CNBE体験型講義(11日目,10日目)の雰囲気をお知らせします。
E3-701号室での座学においては、小池教授より耳音響放射のメカニズムについて、その詳細について講義をいただきました。耳の高度な聴力は、蝸牛内の振動板上に整列する外有毛細胞の能動的振動により実現されることは、先週(第10回)の講義で理解できましたが、本日は、その神経活動のメカニズムについて、カリウムチャンネルの挙動とこれに付随して駆動されるモータタンパクへとつながることが理解できました。私が驚いたのは、感覚毛に接続されるカリウムチャンネルが、糸状の分子で引っ張られて蓋が空くという機械的構造を持っているという説明でした。これまでの神経活動に関する知識では、この種類のチャンネルは、化学的な作用ばかりを目にしていましたので、新鮮な驚きでした。
次に、この外有毛細胞の勝手な振る舞いとフィードバック的な振る舞いについて学び、その性質に起因するOAE(耳音響放射)という現象と、この現象を利用したDPOAE(歪成分耳音響放射)の計測方について学びました。
E4-129号室へ移動し、DPOAE計測機器を用いて、OAEを計測することを体験しました。f1.f2の2つの異なる周波数の音を耳に入力すると2×f1-f2の歪振動が返ってくるとのことで、モニタの学生さんとともに私も体験実験に参加しました。モニタの学生さんは4人とも期待通りの反応が返ってきましたが、私は残念ながらほとんど帰ってきませんでした。これは、私の耳の機能が低下しているか、計測装置が壊れているか、周辺ノイズが大きかったため計測に失敗したかのいずれかかと思われます。