Date and Time: | Jun. 26 (Fri.), 2015, 13:00 – 14:30 |
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Place: | Meeting room #306, Building E-3, UEC |
Speaker: | Dr. Motoyuki Akamatsu (Prime Senior Researcher, Automotive Human Factors Research Center, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)) |
Chair: | Prof. Makoto Shimojo |
Title: | Expectation to neuroscience from the view point of automotive driving study |
Abstract: | 最近は自動運転技術が話題になっている。電子情報技術によって自動運転や運転支援などの機能を実現することが可能になったが、どのような自動車と人間の関わりを実現するかを定めないと、これらの自動車技術をどのような方向に進めていくかは決められない。そのためには、自動車運転の本質を見極める必要がある。 車載情報機器や自動運転・運転支援システムとのヒューマンインタラクションは、人間の高次機能が大きく関わると考えられることから、脳科学の知見に期待が持たれている。この数十年の間に脳科学は大きく進展したが、これは研究者が様々な工夫をして精緻に条件を統制した刺激—反応系を構築してきたゆえの成果であるといえる。この一方で、自動車運転の環境はほぼ開放系であり、その環境は時々刻々変化している。したがって、自動車運転をある決められたタスクを遂行するための受動的な刺激—反応系の情報処理プロセスであるとみなしてしまうと、その本質を見失いかねない。自動車運転は、未知なる環境への能動的な関わりであって、おそらくそれは脳の様々な機能を統合した総体として実現していると思われる。開放系であるにしても、他の交通参加者との接触をさけながら道路を進行させるという制約があることから、研究対象として扱えるものであり、積極的に環境と関わって環境と自己の能力を拡大してく能動的な脳機能の理解のための良い題材である。本講演では、自動車運転をどのようにとらえるべきか、またそのためにはどのような脳研究の課題があるのかを議論したい。 |